今回は、家族構成ごとの生命保険の考え方についてご説明いたします。
家族の死亡にともなう金銭上の負担
大事な家族の思いがけない死亡は、残された家族にとって精神的・経済的なダメージとなります。亡くなった方が一家の稼ぎ手であればなおさら大きな経済負担となります。
予期せず家族の稼ぎ手が亡くなってしまった場合にすぐに代わりの収入源が用意できるわけではありません。しかしながら、生命保険があれば以下のような負担をカバーすることができます。
- 給料
- 子供の教育費
- 日常の生活費
- 葬儀費用、医療費用
- 住宅ローン、カードローンなどの負債の返済
- 残された家族の老後の貯蓄、子供の養育費、学費
なお、死亡保障のニーズは家族構成によって異なります。
独身世帯
ここでいう独身世帯とは以下のような方を指します。
- 未婚の20代や30代の方
- 離婚を経験され現在は独身の方
- 配偶者(夫または妻)に先立たれた高齢の方
これらの方はいわゆる「扶養家族」がいませんので「残された家族」への金銭面での負担はほぼないことになります。
しかしながら、以下のような理由で金銭上の負担が発生することがあり、その対応策として生命保険を活用することができます。
- 高齢の親へのサポート
- 年下のきょうだいへのサポート
- 住宅ローンや奨学金の負債の返済
よって、上記に該当する「独身世帯」の方は、生命保険会社のセールスの勧誘をそのままうのみにするのではなく、「本当にその死亡保障が自分にとって必要なのかどうか」、「うまいこと言われて生命保険会社にとって都合の良い商品に加入させられていないか」を客観的に、冷静に判断できるようなることが重要です。
なお、生命保険には加入前の審査(健康状態などの確認)があります。若いときには健康状態は問題なくとも、年を経るごとに健康リスクは高まるものです。若い方にとっては、健康リスクが少ないうちに十分な保障額の生命保険に加入しておくというのも一つの考え方です。
きちんと自分で納得して自分の意思で生命保険に加入するかどうかを決めることが大事です。
シングルファミリー
ここでいうシングルファミリーとは、子供を養うのが以下のような方であるご家族のことです。
- どちらか片方の親
- どちらか片方の祖父母
- 上記以外の一人の親戚
シングルファミリーを支える方には以下の重要な役割があります。
- 生活費を稼ぐ
- 家事を行う
- 子供へ精神面でのサポートを行う
これらの重要な役割を一人で行いますので負担は相当なものです。別の言い方をすれば、万一シングルファミリーを支える方が亡くなってしまった場合、これらがすべて一瞬のうちに失われることになります。
シングルファミリーは金銭的な余裕が少ない傾向にあります。日常の生活のやりくりで手一杯となり、生命保険にまで手が回らず、生命保険を「不必要なもの」として見なしてしまうこともあります。
生命保険は、シングルファミリーを支えた方が予期せず早期に亡くなった場合に、残された子供への精神面でのサポートの代わりにはなりませんが、その子供の生活費や教育費の負担を軽減し、成長をサポートすることができます。
子供のいる共稼ぎ世帯
今や日本では共稼ぎ世帯が珍しくなくなりました。
配偶者あるいはパートナーの両方ともが働くことで一定以上の生活水準を保つことができる可能性が高くでしょう。
逆を言えば、どちらか一方の突然の死は残された家族にとって大きな負担が発生します。子供がいらっしゃる場合はなおさらです。
残された配偶者やパートナーは、それまでと同じ働き方や家事、貯蓄ができなくなるかもしれません。子供の将来の高度な教育費用もまかなえなくなるかもしれません。
生命保険があれば、配偶者あるいはパートナーが予期せず早期に亡くなった場合であっても、共稼ぎのころと同じような生活水準を維持することができます。
子供のいない共稼ぎ世帯
子供のいない共稼ぎ世帯とは、以下のような共稼ぎ世帯のことです。
- 結婚していて子供はいない夫婦
- 子供はいるが成人して独立している夫婦
このような子供のいない、あるいは子供が巣立った世帯においては、配偶者またはパートナーの突然の死の影響は、子供がいる世帯に比べて限定的と言えます。
扶養すべき子供がいなければ、残された配偶者またはパートナーが働き始めれば生活水準を維持できるかもしれません。
しかしながら、世帯によっては以下のような金銭上の負担が生じる場合があります。
- 住宅ローン、カードローンなどの負債の返済
- 高齢の親への金銭面でのサポート
- 老後への備え
- 現在の生活水準の維持
「典型的な」家族
時代によって「典型的」の捉え方は異なりますがここでは以下のような家族を指します。
- 父親と母親がいる
- 子供もいる
- 父親と母親のどちらかが主な稼ぎ手となり、もう一方は主に家事・育児を行う
ライフスタイルの変化によってかつては「典型的」だったこのような家族構成は減少しつつあります。
一家の大黒柱の突然の死によって残された家族に大きな金銭面の負担がのしかかることについては容易に想像できます。生活費はこれまでどおり(ただし亡くなった方の分を除く)かかりますし、住宅ローンや子供の教育費などにも多額の費用がかかります。
残された配偶者が働き始めることによって生活費を稼ぐことができますが、働くことに伴い、子供の養育費(一時預かり)などの追加費用もかかるかもしれません。
なお、主に家事や育児を担っていた方が亡くなった場合であっても金銭上の負担が生じることについてはあまり知られていません。
家事の水準をそれまでどおりに維持するには追加の費用がかかる場合があります。育児についても同様です。
生命保険があれば大黒柱の死による収入の減少や、家事や育児にかかる追加コストにも備えることができます。
融合した家族
他の家族構成の例と同様に、一家の稼ぎ手あるいは家事・育児を行っていた方の突然の死は残された家族に大きな負担となってのしかかってきます。
「融合した家族」に特徴的なのは、子供の養育費・教育費が長年に渡ってかかる可能性があることです。それぞれの以前の関係でできた子供に加えて、新たに融合した家族の間でできた子供の養育費・教育費が追加でかかるからです。
「以前の関係の子供」と「融合した家族間の関係の子供」との年齢が離れていれば離れているだけ、両親が金銭的な負担から解放されるまでの期間が長期化することになります。
生命保険があれば、これらの金銭上の負担を和らげることができます。
「サンドイッチ」家族
「サンドイッチ」家族とは、以下のような家族構成のことを指します。
- 成人した子供が高齢の親を経済的に支えている
- その成人した子供は、自分の子供も経済的に支えている
「高齢の親」と「自分の子供」の経済的の負担にはさまれているので「サンドイッチ」家族というわけです。「サンドイッチ」状態の夫婦は、経済的のみならず、身体的にも「高齢の親」と「自分の子供」をサポートすることがあります。
経済的に支えてきた子供あるいは身体的に支えてきた子供、どちらが早期に亡くなったとしても残された家族にとっては大きな負担となります。
経済的に支えてきた子供の死をきっかけに、残された「高齢の親」と「自分の子供」を経済的に支えるだけの資金が一気に尽きてしまうことになりかねません。また、身体的に支えてきた子供の死によって、「高齢の親」と「自分の子供」を身体的にサポートするための追加コスト負担(介護費用、育児費用)を強いられることになります。
生命保険は、これらの負担の軽減はもちろんですが、残された配偶者の老後の年金資金にも活用できます。
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まとめ
家族構成ごとの生命保険のニーズについて(かしこい生命保険の見直し・加入)
- 家族の死亡にともなう金銭上の負担
- 独身世帯
- シングルファミリー
- 子供のいる共稼ぎ世帯
- 子供のいない共稼ぎ世帯
- 「典型的な」家族
- 融合した家族
- 「サンドイッチ」家族
あなたはどの家族構成に当てはまりますでしょうか。生命保険について考えていただくきっかけになればと思います。
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