リスク管理の具体的な手法(リスクコントロールとリスクファイナンシング)

今回は、リスク管理の具体的な手法(リスクコントロールとリスクファイナンシング)について説明させていただきます。

リスク管理(リスクマネジメント)の手法は大きく2つ

リスク管理(リスクマネジメント)の種類・方法は大きく2つに分かれます。

一つはリスクコントロール、もう一つはリスクファイナンシングです。

リスクコントロール

一つ目のリスクコントロールは、「損害や事故を防ぐ・軽減する」取り組みです。

「従業員の安全教育」、「消火設備の設置」、「バックアップ体制の構築」などがリスクコントロールに該当します。

このリスクコントロールは、さらにいくつかの手法に枝分かれします。

  • 回避
  • 事故防止
  • 事故削減
  • 分離
  • 複製
  • 分散

回避

回避とは損害や事故の可能性のある活動を完全にやめることです。

例えば、

  • リコール事故を起こしてしまったことをきっかけに、その製品の原因の改良をせずに、その後一切の製造を打ち切った。
  • 飛行機事故が怖いので、飛行機以外の交通手段を選択する。

などです。

この方法であれば、その後のリコール事故や飛行機事故に遭う可能性はゼロになりますが、このような選択をすることには問題がある場合があります。

製造者にとって他に生産するものがあればよいですが、リコール事故を起こした製品がその会社の唯一の製品または主力製品であれば、製造打ち切りといった選択肢は取りにくいはずです。

また、たとえ飛行機事故に遭わなかったとしても、他の交通手段(自動車・船など)で事故に遭う可能性はありますし、今の安全性を考えますと飛行機事故を恐れて海外旅行をやめるというのは行き過ぎかもしれません。

事故防止

「事故防止」は、損害や事故が発生しないようにすることです。

・従業員への安全教育

・整理整頓

・パトロール

・耐震工事

などが「事故防止」になります。

事故削減

「事故削減」とは起きてしまった損害や事故の程度を軽減させることです。

・火災報知器(火災発生をすぐに知らせる)

・スプリンクラー設備(火災発生後の消火機能)

・自動車のエアバッグ(ショックを和らげる)

・監視カメラ(容疑者の特定を容易にする)

などがその例です。

先ほどの「事故防止」が事故を未然に防ぐ取り組みであるのに対して、「事故削減」は起きた事故の程度を軽減する取り組みであることにもご注意ください。

また、ある取り組みが「事故防止」にも「事故削減」にもなることがあります。

例えば「監視カメラ」ですが、お店の商品の前に監視カメラがあることで万引きを抑止する効果(事故防止)があります。また、万引きを行った証拠をカメラがとらえていれば容疑者の特定・被害商品の回収につなげられることにもなります。(事故削減)

分離

分離とは、損害・事故の一極集中を避けるために、分けて管理を行うことです。

例えば、東京の倉庫に10億円分の商品が保管されていたのを、東京と大阪とで5億円ずつ分けて保管することです。

これにより、東京で火災や地震などの大災害があった場合でも、被害額を最大5億円にとどめることができます。

しかしながら、この方法にもデメリットがあります。

損害・事故に遭う可能性が高くなってしまうのです。

極端な例で、先ほどの10億円を日本のすべての都道府県に分けたとします。台風や地震などの広域災害が起こった場合、分けて保管したことにより1回の事故による被害額は低く抑えられたとしても、その保管が日本全国に点在している分、事故に遭う確率は高まってしまうことになります。

複製

複製とは、バックアップやコピーを取っておくことです。複製があれば、複製元がダメージを受けたとしても、複製をもとに被害を回復することができます。

すべてのものを複製できるわけではありません。

以下のようなものが複製の対象になります。

・情報

・鍵

・スペアの製品・部品

なお、複製には、一般に、厳重に保管されるという特徴があります

反対に、先ほどの「分離」の例では、分けて管理されるものは販売される商品そのものですので、業務上のリスク(移動中の事故、盗難など)を比較的受けやすいということになります。

分散

分散は、損害・事故を受ける対象のあるものを、複数の商品、市場、地域などに拡散させることです。

「分離」や「複製」と似ていますが、こちらは主にビジネス上のリスクを対象としています。

例えば、

  • 資金を、国内外の株式・不動産・債券などに分散投資させる
  • 一つの製品を、国内だけでなく、海外でも販売する
  • 一つの事業だけでなく、複数の事業も同時に手掛ける

などです。

この「分散」にもデメリットがあります。「分離」同様、損害・事故に遭う可能性が高くなってしまいます。

例えば、複数の事業を同時に手掛けた場合、すべてがうまくいく可能性よりも、いずれかの事業が失敗する可能性のほうが高くなるということになります。

リスクファイナンシング

もう一つのリスクファイナンシングは、「損害や事故によって必要となる資金を調達する」取り組みです。

損害保険や生命保険への加入がリスクファイナンシングの一例です。

リスクファイナンシングの手法としては、大きく、

  • 移転
  • 保有

の2つに分けられます。

移転

保険加入は、リスクファイナンシングのうちの「移転」という手法になります。

保険契約を保険会社と結ぶことによって、万一事故があった場合の損害の埋め合わせ(補償)をの責任を保険会社に「移転」できるからです。

保有

「保有」というのは、損害保険や生命保険などを使わずに、万一事故が起こった際は自己資金を取り崩して資金を調達する手法のことです。

保有も立派なリスクファイナンシングの手法の一つです。

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まとめ

リスク管理の具体的な手法について(リスクコントロールとリスクファイナンシング)

リスク管理の具体的な手法は大きく2つ

1.リスクコントロール

  • 回避
  • 事故防止
  • 事故削減
  • 分離
  • 複製
  • 分散

2.リスクファイナンシング

  • 移転
  • 保有
ないと

リスクマネジメント全体に関心のある方は、ぜひこちらもご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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