リスクの高低は「損失の影響度」×「発生の可能性」で表せます

今回は、リスクが高い、低いはどのように表せるのかについてご説明いたします。

リスクの高低は「損失の影響度」×「発生の可能性」で表せます

損失の影響度について

「損失の影響度」の事例

「損失の影響度」の例を見ていきましょう。

(例1)

例えば、あなたがローンを組んで新築のマンションを5,000万円で購入したとします。突然の火災や地震で、そのマンションが一瞬にして跡形もなくなってしまうかもしれません。

この場合の5,000万円が「損失の影響度」です。

(例2)

マイカーを運転するあなたはいつか交通事故を起こしてしまうかもしれません。大きな事故の場合、1億円の損害賠償をしなければならないかもしれません。

この場合の1億円が「損失の影響度」です。

(例3)

今はとても元気なあなたにはご家族がいます。しかしながら、突然の事故や病期であなたが亡くなってしまうかもしれません。

残されたご家族は、本来あなたが働くことで得られたはずの生活費が得られず、生活水準を保つために7,000万円が不足してしまうとします。

この場合の7,000万円が「損失の影響度」です。

(参考)「損失の影響度」【loss exposure ロスエクスポージャー】について

「損失の影響度」の英語の原文は「loss exposure(ロスエクスポージャー)」です。
※「loss exposure」を「影響の大きさ」として紹介している他の資料もあります。

「発生の可能性」について

「発生の可能性」について、先ほどの例と照らし合わせて見ていきましょう。

(例1)

例えば、新築のマンションで事故が発生する可能性を左右するものは以下の通りです。

  • 耐震性能があるかどうか
  • 消火設備が整っているか
  • 頑丈なつくりになっているか
  • 海沿い、川沿いなどの、水災や津波の影響を受けやすい場所にあるか

これらの有無が組み合わさって「発生の可能性」となります。

事故が発生する要因が多ければ多いほど、発生の可能性は高まります。逆に、事故が発生する要因が少なければ、事故発生の可能性は低くなります。

(例2)

自動車事故は、以下の要因によって「発生の可能性」が変わることが知られています。

  • 自動車のタイプ(普通自動車か軽自動車かなど)
  • 運転者の年齢(免許取りたての若い方や、高齢の方は事故を起こしやすいというデータがあります)
  • これまでの事故歴・無事故歴
  • 免許証の色
  • 走行距離、使用目的

保険会社や保険代理店が、自動車保険の契約の際に上記について質問をするのは、その回答によってリスクの高低(≒自動車保険料)が異なるからです。

(例3)

あなたが思いがけない事故や病期で亡くなってしまう可能性についてはどうでしょうか。例えば、以下の要因によって発生の可能性は大きく変わります。

  • 現在の年齢
  • 性別
  • 治療中の病気の有無
  • 過去の病歴
  • 身長、体重
  • その他の健康状態

生命保険加入時の告知において、上記についての質問があるのは、その回答によってリスクの高低が異なるからです。

回答によっては、保険料が高くなったり、加入を断られたりする場合があります。

「損失の影響度」と「発生の可能性」の関係

「損失の影響度」と「発生の可能性」の組み合わせ

「損失の影響度」と「発生の可能性」の組み合わせは以下のとおりです。

  • 「損失の影響度」と「発生の可能性」の両方とも「大きい」→リスクは高い
  • 「損失の影響度」と「発生の可能性」の両方とも「小さい」→リスクは低い
  • 「損失の影響度」と「発生の可能性」のいずれかが「大きい」または「小さい」→リスクは中程度

となります。

「損失の影響度」と「発生の可能性」の乗算によるリスクの数値化

「損失の影響度」、「発生の可能性」ともに数値で表せますので、「損失の影響度」×「発生の可能性」で、リスクの高低を数値化することも可能です。

例は以下の通りです。

損失の影響度
(円)
発生の可能性
(%)
リスクの数値化
リスクA
(マイカーの車両損害)
2,000,000.0010200,000
リスクB
(マイホームの火災)
40,000,000.001400,000
リスクC
(早期の死亡)
100,000,000.000.5500,000

「リスクA」の「マイカーの車両損害」は、万一被害に遭った場合の「損失の影響度」は200万円と他のリスクに比べると少額ですが、「発生の可能性」が10%と高めなため、「損失の影響度」×「発生の可能性」の式で数値化されたリスクは20万との結果になりました。

「リスクB」の「マイホームの火災」は「損失の影響度」は4,000万円、「発生の可能性」は1%なのでリスクは40万となりました。

「リスクC」の「早期の死亡」は「損失の影響度」が1億円、「発生の可能性」が0.5%なのでリスクは50万となりました。

このように、リスクを数値化することでこの3つの中でリスクが一番高いのは「リスクC」の「早期の死亡」であると分かるようになります。

(応用)リスクをゼロにする2つの方法

「損失の影響度」×「発生の可能性」の式において、リスクをゼロにする方法が2つあります。

「損失の影響度」をゼロにする

一つ目は「損失の影響度」をゼロにしてしまうことです。

「例1」でいえば、新築のマンションの購入をあきらめることです。「例2」でいえば、マイカーの運転を全くしないことです。

しかしながら、多くの場合、それは現実的な選択ではありません。私たちは、リスクがあることを知りながらそれを大きく上回るメリットがあるからマイホームやマイカーを購入しているからです。

また、ある「損失の影響度」をゼロにできたとしても、別の「損失の影響度」が発生することもあります。

例えば、マイカーの運転をせずに自転車に乗り換えることで自動車事故を起こす可能性はゼロになりますが、自転車の事故を起こす可能性が生じます。

あるいは、マイホームの火災を避けるために賃貸物件に住んだとしても、賃貸物件で火災事故を起こし、大家さんに対して賠償責任を負うリスクが新たに生じます。

「発生の可能性」をゼロにする

もう一つの方法は、「発生の可能性」をゼロにすることですが、こちらはさらに現実的ではありません。どんなに頑丈に新築のマンションを建てたとしても事故発生の可能性をゼロにすることはできません。

リスクマネジメントの考え方

以上の通り、現実的にはリスクをゼロにすることは不可能に近いです。そこで「リスクマネジメント」の考え方が役に立ちます。

生活するうえで、または事業を行ううえで、避けられないリスクといかに上手につきあっていくのか、これが「リスクのマネジメント」の考え方です。

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まとめ

リスクの高低は「損失の影響度」×「発生の可能性」で表せます

  • 「損失の影響度」について
  • 「発生の可能性」について
  • 「損失の影響度」と「発生の可能性」の関係
  • (応用)リスクをゼロにする2つの方法
ないと

リスクの高低についてお分かりいただけましたでしょうか。

お役に立てれば何よりです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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