今回は、「事故防止」と「事故削減」の違いについて説明させていただきます。
目次
似ているようで全く違う「事故防止」と「事故削減」
「事故防止」と「事故削減」は似たような意味で使われることがありますが、リスクマネジメントの実務ではそれぞれ使い分けられています。
「事故防止」は、事故を未然に防ぐ取り組み
「事故防止」の英文表記は、「Loss Prevention(ロスプリベンション)」です。「ロスプリ」と略されることもあります。
「事故防止」は、事故を未然に防ぐ取り組みのことです。
例は以下の通りです。
- 警備員によるパトロール(万引させない)
- 階段の手すり(転ばない)
- 貴重品の金庫への保管(盗難に遭わない)
- 従業員への安全運転講習(無事故無違反の徹底)
これらはすべて事故が起こらないようにするための対策です。
「事故削減」は、起きた事故の被害を軽減する取り組み
「事故削減」の英文表記は、「Loss Reduction(ロスリダクション)」です。
「事故削減」とは起きてしまった損害や事故の程度を軽減させる取り組みのことです。
例は以下の通りです。
- 火災報知器(火災発生をすぐに知らせる)
- スプリンクラー設備(火災発生後の消火機能)
- 自動車のエアバッグ(ショックを和らげる)
- 監視カメラ(容疑者の特定を容易にする)
これらは起こってしまった事故の被害を抑えるためのものです。
「事故防止」は「before」、「事故削減」は「after」
「事故防止」と「事故削減」の違いは次のように表現することもできます。
- 「事故防止」は「before」(事故を手前で防ぐ)
- 「事故削減」は「after」(事故の事後処理で被害を軽減する)
「事故防止」は「頻度」を減らす。「事故削減」は「損害額」を減らす。
「事故防止」と「事故削減」の違いをさらに次のように表現することもできます。
- 「事故防止」は事故の頻度(件数、回数)を減らす取り組み
- 「事故削減」は事故の損害額(金額)を減らす取り組み
もっと詳しく(リスクコントロールについて)
「事故防止」と「事故削減」は、リスクマネジメントの手法のうちの「リスクコントロール」に含まれます。
リスクコントロールについて詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
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まとめ
「事故防止」と「事故削減」の違いは「before」と「after」
- 似ているようで全く違う「事故防止」と「事故削減」
- 「事故防止」は、事故を未然に防ぐ取り組み
- 「事故削減」は、起きた事故の被害を軽減する取り組み
- 「事故防止」は「before」、「事故削減」は「after」
- 「事故防止」は「頻度」を減らす。「事故削減」は「損害額」を減らす。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。リスクコントロールについて詳しくチェックされたい方はこちらをご覧ください。
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