私は独学で合格したわけではないのですが、合格者の立場から、CIA(公認内部監査人)に独学で合格するための参考書・勉強方法についてアドバイスできればと思います。
ご注意点
私はCIAに独学で合格できたわけではありません。
私は専門校(アビタス)との受講契約をして勉強しました。その方が合格の近道だと思ったからです。
結果的に合格もできました。
しかしながら、様々な理由で独学での資格取得を目指す方もいらっしゃると思います。
そのような方々を対象に「もし独学でCIA取得を目指すなら自分だったらこうする」という観点で、参考になる情報をご提供できればと思います。
参考書について
専門校(スクール)の中古教材(ランク:必須)
専門校(スクール)の中古教材は欠かせません。
これがメイン教材になります。
私はアビタスの教材をおすすめします。(他のは使っていないので評価できません)
独学の場合は、メルカリやヤフオクで流通しているものをお買い求めいただくことになると思います。
なお、注意点として、必ず最新のシラバスに対応しているものを買うことということがあります。
最近では2019年にシラバスが改訂されています。(※シラバスとは「出題範囲」とお考えいただいてよろしいかと思います)
このシラバス改訂前の教材は、最新の出題範囲に対応していないことになります。
したがって、その教材が、最新のシラバスに対応しているかどうかをご確認のうえ、お買い求めください。
IPPF2017(専門職的実施の国際フレームワーク 2017年版 )(ランク:推奨)
IPPF2017(専門職的実施の国際フレームワーク 2017年版 )は必須とはしませんが、強くおすすめします。
IPPFは、”International Professional Practices Framework”の頭文字です。
その最新版が2017年度版ということです。
これは、内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors(IIA))が公表している正式なガイダンスを体系化した「考え方(概念)のフレームワーク」です。
いわば、内部監査人のバイブルです。
アビタスの教材には、試験対策上、必要最低限のIPPF2017の抜粋があります。
よって、IPPF2017のランク(推奨度)は「必須」にはしませんでしたが、独学で受験をするのであれば、IPPF2017の十分な読み込みは極めて大事だと思います。
公認内部監査人資格認定試験対応 内部監査基本テキスト(ランク:あると安心)
「公認内部監査人資格認定試験対応 内部監査基本テキスト」はあると良いでしょう。
本書をサブ教材としてお使いいただくことになります。
本書の最大の特徴は、CIA試験のパート1からパート3までの学習範囲・問題集をまるごと1冊に収めている点です。
しかしながら、記載内容に薄い箇所がある、メイン教材との重複がある、などのデメリットもあります。
なお、CIA試験の出題傾向はつかみにくいです。
テキストで学習した範囲の中から出題されるとは限りません。
そのため、メイン教材には書かれていない分野を学習し、関連知識の幅を広げるために本書を活用できると思います。
なお、私が購入したのは「第3版」でしたが、最新版は「第4版」です。
CIA試験模擬問題集2019(ランク:あると安心)
「CIA試験模擬問題集2019」もあると良いでしょう。
「CIA試験模擬問題集2019」はその名の通り、CIA試験の問題集です。
パート1から3までの問題および解答・解説が含まれています。
問題数は以下の通りです。
パート1・・・125問
パート2・・・100問
パート3・・・100問
こちらもサブ教材の位置づけです。私は当時4,400円で購入しました。
高いわりにはパートごとに1回分の試験問題しか収容されていません。メイン教材の問題集との重複もあります。
それでも、様々なパターンの出題に慣れるため、学習の幅を広げるために活用できると思います。
令和03年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生のITパスポート教室 (情報処理技術者試験) (ランク:非IT系の受験者の方におすすめ)
パート3のIT分野対策として受験者に支持されているのがこの本です。
本書はITパスポート受験用のテキストですが、CIA対策としても有効であると評判です。
その他:ブログ読者のおすすめ書籍
このブログをご覧になった方がおすすめされる書籍は次の通りです。
COSO 全社的リスクマネジメント ー戦略およびパフォーマンスとの統合
本書は、国際標準のCOSO内部統制フレームワークを基礎としたCOSO‐ERMの大改訂版です。
実践方法を理解するための事例や図表が豊富に提供されており、見やすいカラー版で解説されています。
COSO全社的リスクマネジメント -戦略およびパフォーマンスとの統合- 事例の解説篇
上記の書籍の補完的な位置づけの書籍です。
「全社的リスクマネジメント―戦略およびパフォーマンスとの統合」の原則を日常業務に適用する方法を説明する事例の解説集です。
各事例は、様々な業界や規模の事業体における特定の原則を取り上げています。
内部監査人のためのリスク評価ガイド(第2版)
この本は、2018年3月に内部監査財団から出版された「The Internal Auditor’s Guide to Risk Assessment, 2nd Edition」を翻訳したもので、内部監査人がリスク評価を行うための手引書です。
この本では、リスクマネジメントに焦点を当て、内部監査人がリスク評価を通じて事業目標と調和させる方法や、個別の監査業務におけるリスク評価手法を解説しています。
さらに、リスク評価に関するカスタマイズ可能なテンプレートも提供され、即座に実務に活かすことができます。
この本は、経験豊かな内部監査人だけでなく、リスク評価に初めて取り組む方にも有益で、第2版では2017年の新しいCOSO ERMフレームワークの改訂を反映しています。
勉強方法について
「メイン教材を中心としたテキストの読み込み」、「練習問題の演習」の繰り返しが基本です。
別の記事でも勉強方法についてまとめていますので、こちらをご参照いただければと思います。
勉強に行き詰まりを感じたときや、パート不合格で心が折れそうなときは、転職サイトにずらりと並ぶ魅力的な企業を見て、やる気を奮い立たせることも効果的でしたよ。
(ご参考)専門校の活用について
このブログをきっかけにCIA受験者の方と交流する機会があるのですが、独学を選んだ方は苦労されているのが多いと感じます。
各パートの不合格には追加の時間とお金がかかります。
独学では最終的に合格できないというリスクも高まります。
専門校と受講契約を結ぶことで「合格のためのノウハウ」を購入することができます。
「合格のためのノウハウ」があれば、独学の場合に比べて、不合格のリスクを低減させることができ、合格までの時間を短縮できる可能性が高まります。
合格の確率を高めたい、少しでも早く合格したいのであれば、私もお世話になったアビタスがおすすめですよ。
以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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コメント
コメント一覧 (8件)
はじめまして。アビタス利用で、パート3の勉強を進めてるところです。パート1は受かったんですが、2に二回続けて581点で不合格だったので、頭を切り替えて3に挑戦してます。
範囲が広いのに暗記すべきことも多いのですが、実際に日々の勉強はどうやってましたか?
ブログご覧いただき、ありがとうございます。
さて、パート3ですが、確かに学習範囲が広く、覚えることも多いですが、私はなるべく暗記ではなく、理解するようにしていました。例えば、「多数乱戦業界」は「ラーメン業界」、「先端産業」は「IT企業」、「成熟産業」は「自動車産業」などと講師の方が説明されていた具体的なイメージと結びつけると理解が深まります。暗記ではなく理解として覚えることで試験本番の初見問題にも対応できる実力がつくと思います。
あとは、インプット(テキスト、受講ノートを見る)とアウトプット(MC問題、模擬試験)の繰り返しです。また、私は財務会計に苦手意識があったので「CIA財務会計入門」もオプションで選択しました。
パート3では計算問題も重要です。出題パターンは決まっているのでやり込むしかないです。
パート3の試験本番では、計算問題を含め、アビタスのテキストや演習問題からの出題が結構あったと思います。パート2のような「そんなの習っていない」的な問題は少なかったと思います。
その意味では、パート3に関してはアビタスのテキスト・講義・MC問題を忠実に繰り返し、理解を深めれば合格に近づくと思います。
CIA資格取得をお祈りいたします!
ありがとうございます。
特にITのところは監査人としての統制とリスクの理解が重要みたいですが、監査人として知るべき知識となると、感覚的には公務員試験の一般常識みたいな感じで受けとればいいのかなと勝手に思ってます。間違ってますでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。
私は公務員試験の方には詳しくないのですが、CIAのIT分野では、どの内部監査人も覚えておくべき最低限の内容が問われるとお考えいただいてよろしいかと思います。
IT分野に関しては別の記事でもご紹介していますのでご参照いただければと思います。リンクをご案内します。引き続き当ブログが参考になれば嬉しいです。
https://knight-naito.net/2020/10/18/cia-part3-it/
パート3は広く浅く、1と2は深く掘り下げて取り組むように言われますが、3はテキストの隅から隅までやらなくてもよいと理解してよいのでしょうか。
重要なキーワードだけ押さえて、対策が足りないとなってしまうのが怖いなと思うのですが。
お問い合わせありがとうございます。
結論から申し上げますと、パート3もテキストの隅から隅まで学習されることをおすすめします。
パート3は「広く浅く」というのは表現として間違いではないと思いますが、パート3のテキストには、パート合格のために必要な「広く浅く」の内容がカバーされています。その内容はしっかりと学習することが大事です。
したがいまして、パート3も、パート1、2同様、テキスト・講義・演習問題を中心にしっかりと学習されることをおすすめします。
うわぁ、そうなんですね。
出題の頻度が高そう、低そうな分野はどこという説明は講義のなかで出てるんですが、あくまでテキストに書いてある内容は、出ると言われた分野なら全部見るということですね。
講義の最終回で学習内容のメリハリについて解説があるようですが、それでも重要度の高い範囲を隅から隅までやるのは骨が折れそうです。
3にはどのくらい期間を使って勉強されましたか。
お問い合わせありがとうございます。パート3には3か月ほど時間を費やしました。CIA資格取得をお祈りいたします!